擁壁リスク=所有者に責任

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擁壁とは高低差がある土地の地崩れを防ぐための壁のことです。現行の建築基準法では非常に厳格になっていますが、昔からの擁壁はブロック塀や石積みのもの等、現行法ではアウトとなるも擁壁が日本中にたくさん残っています。また、そもそも擁壁のない斜面も通常の市街地でも目にすることがあります。

この擁壁が倒壊した場合、その責任は擁壁を設けた土地(通常は高い側の方)の所有者が負うことになります。写真のもので約400万円、高さによっては軽く1000万を超える工事費用が発生します。万一、擁壁の倒壊で死亡事故など起こせば億単位の損害賠償請求を受ける可能性があります。土地所有のリスクはいくつもありますが、特に市街地においてこの擁壁リスクはその最も大きなものの一つです。

擁壁の倒壊は例えばこんな事例となります(当社に実際にご相談のあった例を基にしています)。
おじいちゃんが住んでる古いお家。擁壁も古く石垣でできています。何十年と事故は起きなかったのに、ある大雨のため崩れ落ちました。幸いなことに怪我人は出なかったものの、擁壁の下に住む人は直ちに補修工事を求めます。下の人からしたら当然のことです。
おじいちゃんも自分に責任があることはわかっていますから、工事業者さんに見積りをとったところ、1200万円!
年金暮らしのおじいちゃんにはとても出せない金額です。ただ法的には完全に責任ありますし、下の家の人に迷惑をかけているのもよくわかっていますが、工事をするお金がないのです。

本当に悲劇としか言いようがありませんが、こうした危険な擁壁は日本のいたるところにまだたくさん残っています。いずれ誰かが必ず工事することになります。もし売却ができるようだったら、早めの売却をぜひおすすめします。

また行政によっては、擁壁の工事費用に一部補助金を出しているところもありますので、ご相談されてみてはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

溝口 喜郎
溝口 喜郎代表取締役
やまねこ不動産株式会社の代表取締役です。
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