前回の例はたまたま近くに建物があったため、その建物の住所を使い場所を特定することができました。
次は近隣に建物がなく、住所が使えない場合の方法です。山の中とかであればこちらのほうが多いはずです。
近隣に建物がない場合=座標を使う
ここでもやはり公図を使いますが、今度はかなり面倒になります。。。
さきほどの公図には記載がないのですが、公図によっては右上と左下に座標が記載されています。これは公図の中でも「第14条地図」と呼ばれる公図です。国による測量が行われているためかなり正確な地図です。この座標がないものは「地図に準ずる図面」となり場所の特定が極めて困難になります(後述)。ここではこの座標があるものとして話を進めます。
かなり面倒にはなるのですが、この座標さえあれば場所を特定することができます。
利用するのは、緯度、経度への換算というページです(国土地理院提供)。公図の座標は一般的な緯度経度ではなく、ある特定地点からの座標が使われているため、そのままではGoogle Map等に利用できません。このページで通常の緯度経度に換算する必要があります。
まず、どこからの特定地点からを選択する必要があります。「系番号」をクリックすると日本地図が出てきます。上記公図は新潟県ですので、8が系番号になります。これで基準が定まりました。
公図は8の基準からの座標が記載されています。座標の縦軸の数字をそのままX座標にいれます。そして横軸をY座標に入れて「計算実行」をクリックするとこのような計算結果がでてきます。
(座標の数字の前の”+”は入力しなくて大丈夫です。ただし”−”は必ず入力する必要があります)
これで通常の緯度経度がわかりました。次にこの緯度と経度の間にスペースをおいて、「37°21′21.14874″ 138°59′26.06167″」をGoogleで検索すると、こうしてドンピシャで場所がわかります。
ただし、この赤丸はさきほどの公図の右上のポイントを表示しています。物件の場所ではありません。
次に同じ要領で公図の左下のポイントから緯度経度を調べます。そして出てきた緯度経度を使い、さきほどの右上ポイントからのルートを調べます(別々に調べると地図が2枚でてきて見にくいため便宜上ルートを調べます。
これで公図の右上ポイントと左下ポイントの両方が特定できました。公図の中心部が探してる土地ですので、この2つのポイントの対角線の真ん中が探している土地となります。
これが公図の座標をつかって土地の場所を特定する方法です。けっこう面倒ですがピンポイントで探し出すことができます。
公図に座標がない場合は??
実は座標のない公図けっこうたくさんあります。要するに国の測量が行われていない地域はこの座標が書かれていないのです。山だから測量が行われてるとか行われていないとかではなく、あるところはありないところはないです。私の感覚的には半分半分くらいの確率です。
近隣に建物もなし、公図に座標もなしということだと、正直お手上げとなります。公図にヒントを見つけて(土地の形や川など)通常の地図と見比べるか、あるいは当地の役所へ行けば非常に古い地図を置いてあることがあります。また古くからやってる地元の土地家屋調査士事務所もそういう地図を持っている可能性があります。
以上、2回にわたり「公図(字図)から土地の場所を調べる方法」を解説しました。
何かのお役に立てれば幸いです。
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