いらない土地を国に返す~ある司法書士が国を訴えた

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いらない土地を国に返したい。場合によっては非常に切実な願いですが、現在のところ、日本の法律では認められていません。このことに異議を唱え、国を相手に訴訟を起こした方がいます。鳥取県米子市の司法書士・鹿島康裕さんです。
訴訟の背景と結果について、解説します。

先祖代々の土地はいえ、これ以上管理できない

鹿島さんは職業柄、地元のご老人たちからそういった相談を受けていたそうです。田舎では本当にそういう土地だらけかと思いますが、管理しようにも人手もいないし、お金もかかる。先祖代々の土地とはいえ、このまま次の世代に引き継いていっていいものだろうかと。

民法第239条「所有者のない不動産は、国庫に帰属する」

日本の法律上、土地の所有権放棄について、これを禁じる法律はありません。が、これを認める法律もありません。関連するのが民法第239条の「所有者のない不動産は、国庫に帰属する」という規定です。あくまでも所有者のいない不動産に限っており、現在所有者がいる土地については何も言っていません。

ただし、実際の登記業務においては「放棄する」という選択肢がなく、ある人からある人(個人であれ法人であれ行政であれ)に所有権を移転することしかできません。所有権をなくす方法がないのです。

放棄した以上、国が引取るべき

2014年、鹿島さんはお父様から山林(2万3,000㎡笑)を生前贈与されたのを機に、それを「放棄する」とし、放棄した以上、民法のいう「所有者のいない不動産」に該当する、したがって、所有権は「国庫に帰属する」はずであるとして、国が引き取るべきだと裁判をおこしたのでした。

そもそも「放棄する」というのが認められてないので、かなり無理筋に見えるのですが、鹿島さんも本気でこれで勝てると思われたわけではなく、ただ実際にそれで困っている人がいるため、一つの問題提起として果敢に挑戦されたのではないかと思います。

高裁の判決 権利の濫用?

地裁は敗訴、鹿島さんは広島高裁まで戦いました。その判決によると

原告は山林を保有し続けることが負担になると考え、国に押しつけようとしたなどと認定。権利の濫用(らんよう)に当たるとして請求を退けた。山林を国が管理することになった場合、境界の画定や柵の設置に150万円以上、草刈りや巡回警備に毎年8万円ほどの税金を投じることになる点も重視された。

権利の濫用って笑。国に押し付けたというか、そもそも押し付けられてるから、それを解消してくれということだと思いますが。。。

もっとも所有権の放棄が無制限に認められてしまうと、判決にいうようにその土地を国が維持管理するための莫大な費用が発生してしまいます。当然税金で処理されるため、税負担の公平性の観点からすると、権利の濫用といえなくもないのかもしれません。

結局、鹿島さんの訴えは退けられたわけですが、鹿島さんは「土地の処分に困っている人が増えるなか、どういうケースなら国庫に帰属できるのか基準が必要だ」と話しておられます。

ついに所有権の放棄制度が認められる?

そこから8年の時が過ぎ、2021年2月。
ついに鹿島さんの求めていた所有権の放棄が制度化される見込みです。法制審議会が所有権の放棄制度の新設をうたった要綱案を法相に答申しました。「どういうケースなら国庫に帰属できるのか基準が必要」と鹿島さんは話しておられましたが、その基準も案として答申されています。

所有権放棄制度新設の要綱案については土地の所有権放棄がついに法制化へ。ただし厳しい条件つきにて詳しく解説していますので、そちらも見て頂きたいのですが、放棄しようとする土地に対して非常に厳しい基準を課しており、そもそも鹿島さんが国を訴える原因となった、田舎のご老人たちの不安を解消するようなものではありません。
所有権の放棄ができるのは、通常に売りにだしても売れるような資産価値のある土地を国は想定しており、山林の土地などについては、まず樹木の撤去や境界の確定測量、また放棄後の維持管理費用等を所有者に求めるものでした。

結局、国が国に都合のいいように法律を決めてしまうため、所有権の無条件の放棄はほぼ永続的に不可能になってしまいそうです。

鹿島さんはどういう思いでこの要綱案をご覧になったでしょうか。。。

*この記事は土地は捨てられるのか 男性、国を相手に「実験的訴訟」(朝日新聞の有料記事。2017年12月4日)をもとに作成しています。

投稿者プロフィール

溝口 喜郎
溝口 喜郎代表取締役
やまねこ不動産株式会社の代表取締役です。
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