土地と所有権の歴史1:班田収授法「土地は国のもの」宣言

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最初におことわり

まず私はまったく歴史に詳しくありません。ただ仕事柄、土地と所有権について興味があるものですから、日本の歴史において両者がどういう関係にこれまであったのか、興味を持っています。

初歩的な歴史の本とWikipediaを読みながら自分なりに勉強しつつ、そのまとめとして、勉強が進んだとこまでに分けながら、少しずつ書いていこうと思います。

昔のことなので諸説あったりしますが、それを一つ一つ書いてると非常に煩瑣ですので、特に理由がない限り特定の説を私の判断でここでは紹介しています。歴史的事実を参考に私の推量も多分に混じっています。ご承知おきください。

班田収授法=日本で最初の土地政策

書物に記録として残っているものとして、日本での最初の土地政策は646年のいわゆる班田収授法です。

646年月の改新の詔において「初めて戸籍・計帳・班田収授法をつくれ」との記載が日本書紀(720年成立)にあります。

班田収授法とは、戸籍に基づいて、政府から受田資格を得た貴族や人民へ田が与えられ、与えられた田からの収穫は政府の課税対象とする制度のことです。
要するにこの時点で土地は公の物だったことになります。死んだら返さないといけないので、個人の所有権というものはまったくなかったのだと言えます。

班田収授法の前は?

ただここでいきなり疑問が。その前はどうなっていたのかと。

吉野ヶ里遺跡など見ると、土地の所有は村落全体で行っていたものと思われます。ここからここは田中さん、川の向こうは渡辺さんとかいうことではなく。
そのような村落の中で特に力を蓄える村落が出てきて、その代表が豪族と呼ばれた人たちだろうと。

班田収授法は土地を国のものだとしてそれを豪族や人民に貸し出す体裁をとっていますが、それをやるには、まずそれまで豪族たち(村落)が所有していた土地をいったん国に差し出させないといけません。

大化の改新はそれまでの有力豪族の連合政権体制(大和政権)を打破し、天皇を中心とする国に切り替えようとした一大改革ですが、豪族の土地を全部召し上げるような強権を発動できる力はまだないはずで、実際にはそうしたやり取りはなかったのではないでしょうか。
ではなぜ、あえて班田収授法にて土地が国のものであると宣言したのでしょうか。

「土地は国のもの」→税金を取り立てる名目⁉

税の概念自体は国が成立する前にすでにあったと思います。集落にてみんなが使う橋や倉庫が壊れたとかお祭りの準備とか、村落を守るための武器の調達とか、なにかしら公共的なものに対する出費としてそういう考えはあったはずです。

村落ではそういった考えが自然発生的に生まれたのだと思いますが、その集合体の国となると、当然、なんで国に税金を納めないといかないのか、という疑問がでてきます。国がその税金で実際に学校や病院や道路をつくるわけでもない、あくまでも概念的な国なるものに対して。自分の身の回りの世話をしてくれる集落とはまったく異なりました。

一方、大和政権としては税金が取れないとやっていけないわけで、なにかみんなが納得するような仕組みをつくろうと。そこで考え出したのが、「土地は国のもの」ということではなかったのでしょうか。
当然、依然力を持つ豪族からは反対意見も出たでしょうが、「いやいや、豪族さん、これは形だけのものなんですわ。当然あなたの土地はあなたの土地のままでいいです。ただ名目上、国が貸してるテイにしておけば、そこから収穫の一部を税として取り立てるのに人民に対して名目が立つんですよ」といったやり取りがあったのだと思います。

私の推測ですがそういった背景から班田収授法が宣言され、ここに初めて「土地=国のもの」という考え方が日本において成立したのでした。

班田収授法の限界=土地が足りない

その後701年の大宝律令によって班田収授法が本格的に運用されだすのですが、ただこの班田収授法、よーく考えると最初から無理難題なのですよね。国が持ってる土地の支出入ベースで考えた場合、収入は人が死んだとき、支出は人が生まれたときにとなります。この時代、人口は増加傾向でしたので当然赤字になります。
ここでいう土地とはもちろん農作物が耕作できる土地のことです。そんな土地が天から降ってくるわけないですから、国はお金と労力かけて耕作できる土地を作らないといけません。ですので、いくら「土地=国のもの」と宣言したところで、国には人民に与えるだけの土地がなかったということになります。

およそ100年後の奈良時代末期には、田地の不足、班田手続きの煩雑さ、偽籍の増加等で班田収授は廃れていき、902年の醍醐天皇の班田が実質的に最後の班田となりました。

田地の不足が根本的課題であり、次回はその解決策がだされるはずです。

つづく

投稿者プロフィール

溝口 喜郎
溝口 喜郎代表取締役
やまねこ不動産株式会社の代表取締役です。
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