売却勧誘/下取り型:無限編

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前回は、原野商法流れの土地を下取りしますという詐欺でした(土地の「売却勧誘-下取り型」詐欺)。
こちらが持ってる土地を500万円で買ってくれるなら、あながた持ってる土地を100万円で下取りします、と。
今回もそれに似ているのですが、新たに第三者が登場し、被害者は何度も同じように騙されます。
そもそもは平成22年の話です。以下、国民生活センターに寄せられた申請人の相談をもとにしていますので、どこまでが事実かはわかりません。

100万円で買取ります、そのかわり…

山田さん(仮名)のところに、株式会社トラストホーム(法人番号 5011601014267 所在地:東京都渋谷区東 代表取締役:山本 美野子)から電話がかかってきます。山田さん所有の土地A(ほぼ無価値)を100万円でトラストホームが買う、そのかわりトラストホーム所有の土地B(ほぼ無価値)を620万円で山田さんが買うと。

これだけだと山田さんは損をしますが、トラストホームはBの土地を買取ると申し出ます。ただし、今すぐ買取ると高額な税金がかかるので5年後に買取る、5年間待ってくれと。

口約束で、あと5年待ってね

いくらで買取るのか書いてないのですが、おそらく山田さんに利益が出る金額(520万円以上)で買取るという約束だったのでしょう。書いてて笑ってしまうのですが、そうなると今度はトラストホームの利益がないですよね。山田さんはそのへんどう考えていたのでしょうか。
また口約束だけで5年待つというのも通常考えられないことです。契約でも5年待ったりはしません。
山田さんも山田さんかなと笑

5年後に新たな人物登場

が、山田さんはその言葉を信じて本当に5年待ちますw
平成26年になり山田さんがトラストホームに「買取手続きをしてほしい」と連絡したところ、平成23年の地震で土地Bが地割れしてしまい、約束の金額では買取れなくなった。別の買主さんを紹介する」と。

ここで新たな買主Cが登場します。ここから山田さんはさらに被害を拡大させていきます。

買主Cは山田さんにまず測量費用を求めます。「5年放置した土地は測量しなければならない」と謎なルールをCは持ち出してきたようです。そんなルールはありませんw
さらに「土地Bを買うための手数料」(これも謎です)もあわせ、山田さんはまず120万円を支払いました。
そして土地Bの「次の買い手を探すための費用」(これも謎です)として50万円を追加で払ったのでした。

ここまで山田さんの支払った額をまとめると、すでに790万円。トラストホームにもらったお金が100万円ですから690万円の赤字になっています。

山田さん、無限列車

ここからもうちょっとあまりにもバカバカしいのですが、山田さんはまた別の土地を買ってしまいます。土地BをCが買うかわりに、C所有のD土地を買わないかと。その差額が350万円です。
その翌年にはまたCから、やっばり土地Dと土地Bをもう一回交換することをもちかけられ、また100万円を支払うことになりました。

ここまでやって山田さんは自分が騙されていると気づいたそうです…
合計1,140万円!

山田さんはここに至り、上記内容を国民生活センターに訴えたそうですが、ここまで来ると、山田さんにも落ち度があったんじゃないでしょうかね。

なお国民生活センターは両者の調停をすすめる機関であり、裁判所とは違いますので、この件も未解決のまま終わったようです。

投稿者プロフィール

溝口 喜郎
溝口 喜郎代表取締役
やまねこ不動産株式会社の代表取締役です。
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