今日は当社へご相談のあった福岡県土地のお話です。
完全に原野商法跡地でした。
原野商法とは
原野商法とは、山奥の土地に架空の開発計画を作り、土地の値上がりを期待させ無価値の土地を売りつける詐欺商法です。今でも行われているようですが、最盛期は昭和60年代からバブル期にかけてです。
ご相談頂いたのは平成3年、今から約30年前。バブル絶頂期ですね。
お客様は当地へ単身赴任中でしたが、たまたま話が来てつい買ってしまわれたようです。
その後、当初計画されていたはずの開発計画は実行されず、30年間放置。幸いなことに固定資産税がかかってはいませんでしたが、いよいよなんとかしないと子どもたちに相続されてしまいます。
当社HPをご覧になりメールでご相談を受けました。福岡ということで当社から近いものですから実際に現地にも行ってみました。
不自然な字図(区割り)
まずこの字図をご覧ください。字図とは土地の一筆一筆の地図のようなものです。周りは全部田んぼや畑なのですが、この一角だけ不自然にきれいな区割りがなされています。これは原野商法の典型的な特徴です。
区割り自体は特に造成工事等必要ありませんので簡単にできます。まずその一画の土地の確定測量を行い、計画どおりに分筆登記をすれば、このような区割りが簡単にできます。そして買う人にいかにも開発計画があるように思わせるのです。
30年後の状況
30年が過ぎ一帯はすでに竹林と化していました。20区画ほどありますがすべてがこのような状態になっています。
浮浪者が建てたと思われる掘っ立て小屋や不法投棄のゴミもありました。この物件は固定資産税はかかっていないのですが、所有者である以上、こうした不法投棄されたゴミの責任も負うことになります。こうした土地を管理してくれる不動産業者もいるのですが、またそこで余計なお金が発生してしまいます。
罪深い原野商法
普通の詐欺は騙されたら騙されたでそれ1回で終わりです。ところが原野商法は土地を買わされますので、簡単にはそれが終わりません。今回はたまたま30年で蹴りがつきましたが、このまま放置を続けるとこの負担が子の代、孫の代と延々と続いていくのです。非常に罪深い詐欺行為と言えるでしょう。
投稿者プロフィール
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