空家を放置した場合のリスク・デメリット

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空家を放置してしまう理由としては2つあります。
1、解体費用がかかる
2、解体して更地にすると固定資産税が跳ね上がる

確かにこれは納得できる理由ですが、一方で空家を放置することよるリスク・デメリットもあります。
今回はそうしたリスク・デメリットについてまとめてみました。

工作物責任

空家の管理がきちんとできていなかったために、台風で瓦で飛んで隣地住人に怪我を負わせた場合、その責任は誰にあるのでしょうか。

土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない

民法第717条

ここでいう瑕疵とは通常備えているべき性質や設備を欠いていることを指します。安全性に問題あるような状態のことです。占有者とは例えばその家に賃貸で住んでいる人を指します。ここでは空家ですので占有者はいません。したがって所有者に全責任がいくことになります。
この所有者の責任はいわゆる「無過失責任」です。所有者に過失がないことを証明しても所有者として責任を負わないといけないのです。無過失でも責任を取らなければならいないため、近隣から苦情があってもそれを放置していたとか、瓦が飛ばないようにブルーシートをかぶせていたとかいう場合も、当然責任を負うことになります。

火災保険には賠償責任保険がついていることもあります。法律上の損害賠償責任が生じた時に賠償金額を保証してくれる保険です。空家の管理がどうしてもできないという時は必ずこの保険に入っておかないと、被害によって億を超える損害賠償責任を負う可能性があります。

失火責任法の「重大な過失」にあたる可能性

明治32年に制定された「失火ノ責任ニ関スル法律」(失火責任法)はちょっとかわった法律です。
家が家事になり、隣家まで延焼した場合でも、出火による隣家への責任は負わなくていいという法律です。

民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス

日本は木造建物が多く延焼の可能性はどこの家にもありました。そのため失火によって隣家まで延焼しても、その責任を免除することにしたのです。したがって現代のマンション等においても、各部屋が自分で火災保険に入っておかないといけません。隣地からの延焼は自己責任となります。

ただし、これは重大な過失がない場合に限ります。寝タバコや揚げ物の火の止め忘れなど、明らかに過失がある場合は隣地への延焼に対しても責任を負うことになります。
空家の放置はどうでしょうか。空家の失火によってその所有者が損害賠償責任を負うことはありえます。

そもそも空家では火事が起きないと考えがちですが、最も多いのが屋内配線の老朽化による失火です。この場合は先の民法717条工作物責任により、所有者に損害賠償責任が発生することがあります。
放火はどうでしょうか。これも場合によります。所有者が空家を放置し、誰でも家に入れる状態にしていたとか、家の中に可燃物を放置していたとかいうことがあれば、それは「瑕疵」にあたり、放火であっても所有者が責任を負う場合があります。

固定資産税の軽減措置特例から外される可能性

空家を放置する大きな理由の一つが固定資産税の軽減措置です。更地にすると固定資産税の負担が大幅に増えてしまいます。

固定資産税額は、大雑把にいえば、その土地の評価額✕1.4%が通常の計算方法です。ただし、住宅用地として利用されている場合(建物が建っている場合)、評価額が1/6で計算できます(200㎡以下)。建物を解体して更地にするとこの軽減措置が使えなくなり、単純計算では固定資産税額が6倍になってしまいます。2万円が12万円になったら非常に大きな負担になりますよね。

これは空家問題を解決する上ので大きな障害になっていると考えますが、現状そうなっています。
ただし、荒れ放題の空家をそのまま放置すると、いわゆる「特定空家」と判断され、空家特措法14条2項の勧告を受ける可能性があります。

市町村長は、前項の規定による助言又は指導をした場合において、なお当該特定空家等の状態が改善されないと認めるときは、当該助言又は指導を受けた者に対し、相当の猶予期限を付けて、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告することができる。

この勧告を受けると、上述の固定資産税の軽減措置が使えなくなり、更地と同じ扱いになってしまうのです。
またこの勧告にもかかわらずさらに放置を続けると、最悪、50万円以下の過料に科せられることになっています。

まとめ 売却が一番

このように空家を放置することは多大なリスクを保有することになります。解決方法は売却してしまうことです。
売却にあたってわざわざ建物を解体する必要はありません。現状渡し契約にして、解体は買主さんがやるという契約が可能です。例えば土地の価格が1000万円で解体費用に100万円かかるとします。解体費用分を引いて900万円で売ると買主さんからしたら同じことです。
先に売主で解体するにはまず現金が必要ですし、万一解体して長く売れない場合、上述の固定資産税の軽減措置が使えなくなる可能性もあります。

投稿者プロフィール

溝口 喜郎
溝口 喜郎代表取締役
やまねこ不動産株式会社の代表取締役です。
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