抵当権がついている物件。通常は売主の方で抵当権を抹消した上で物件を買主に引渡すことになっています。不動産売買の常識です。が、今回、やまねこ不動産では抵当権がついたままでも当社でお引受けすることにしました。
抵当権とは
そもそも抵当権とは何でしょうか。抵当権とはその物件を強制的に競売で売却できる権利です。
一般的には住宅ローンの抵当権があります。買主は銀行で住宅ローンを組みます。例えば3000万円を住宅ローンで組むと、銀行が物件に対して3000万円の抵当権をつけます。銀行からすると3000万円貸してるので、それを返済してくれない場合の保険です。
もし万一、買主の返済が滞ったら、銀行はその抵当権を発動し強制的に競売(裁判所を通した売却)にかけることができます。
一方、約束通り毎月返済をして例えば20年後にすべて債務を完済したとします。そうするともう債務関係がなくなりますので、所有者は銀行の了承のもと所定の手続きをし抵当権を登記簿から抹消し、きれいさっぱりとした登記簿にします(制限のない完全な所有権となります)。これで誰からも強制的に売却されることはなくなるというわけです。
なぜ抵当権の抹消が不動産売買の常識なのか
抵当権がついたままの物件でも所有権移転登記は可能です。が、通常の不動産売買においては、抵当権がついたままの状態で物件を買主に引渡すことはよっぽど特殊な事情がない限りありません。上述の通り、抵当権がついたままだと買主が所有している物件が競売にかけられる可能性があるからです。
3000万円を借りたAさん。3000万円を貸したBさん。その抵当権がついた物件アをAさんから3000万円で買ったCさん。
Aさんがお金の返済をしないと、Bさんは抵当権に基づき、物件アを競売にかけることができます。物件アはすでにCさんのものですが、Cさんの所有権にかかわらずBさんは抵当権を発動できるのです(そういう意味でCさんの所有権は完全ではありません)。そしてBさんは競売の売却で得た資金でAさんから借金を返してもらうことができます(借入金額に足りない場合は債務は足りない分は残ります。競売ですべてチャラになるわけではない)。
恐ろしいことに物件アの所有権は、競売で買った人に移ります。Cさんからすると、Cさんは誰にも借金をせずに自分のお金3000万円で物件アを買ったにもかかわらず、気づくと競売にかけられ、自分の物件が人の手に渡ると。3000万円を丸々損したことになります。得したのは物件の売主Aさんです。借金もなくなったし、Cさんから丸々3,000万円が手に入りました。
このように、抵当権つきのまま不動産を買うことは、場合によって買主に著しい損害を与えますので、そういうことがないよう、抵当権は売主が抹消して(上の例でいうとAさんが3000万円をBさんに返済して)、Cに引渡すのが常識なのです。
当社は抵当権つきでも引き受けます
私も長年不動産売買仲介の現場にいましたので、当社の所有権放棄サポートサービスにおいても、抵当権がついてる物件についてはその抹消をお客様のご負担とさせて頂いていました。ところがここ最近、立て続けにへんな抵当権に出くわしたのです。昭和初期の米13石の抵当権とか、玄米13石とかです。どうやって返済すればいいのでしょうか(休眠担保:米13石の抵当権も抹消できるをご参照ください)。この抵当権は抹消はできるのですが、抹消のための司法書士の見積りが25万円です。さらには、何十年も前に、AB間の抵当権がついたまま第三者のCさんが土地を買い、今回そのCさんの子供さんが相続したとか、非常に複雑な案件もご相談を受けました。
ABももう亡くなっていますので、抵当権を抹消するにはその相続人を探さなないといけません。しかもAが外国籍となっていまして、抹消できない可能性もでてきました。
これ、仮に抹消できたとして、そこにどんな意味があるかというと何も意味はありません。もうみんな亡くなっていますから、実際に誰かが抵当権を発動して競売にかけるなんてことはほぼないのです。数万円でそれができるならまだいいですが、ここに何十万円もかけてお客様に抵当権を抹消して頂く必要性もないのではなかろうか、と思い至りました。はっきりいってムダな作業です。
そこで当社では抵当権の抹消が難しい物件については、別途当社が負担料を頂くことで、そのまま当社が引き受けることにしました。もちろん、気持ち的には抹消してあった方が当社としても安心します。なにかへんなごたごたに巻き込まれる可能性が0ではありませんので。そこはお客様の選択制にさせて頂きます。
抵当権の抹消が難しく売却できないという物件も、ぜひ当社にご相談ください。
投稿者プロフィール
- やまねこ不動産株式会社の代表取締役です。
当社では、処分に困る不動産の所有権を有料でお引取りするサービスをご提供しています。
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